【認定】特定非営利活動法人SEEDS Asia

東日本大震災から2年に寄せて

東日本大震災から2年が経過しました。

SEEDS Asiaの東日本大震災支援活動にご理解・ご協力くださり、改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございます。

 

SEEDS Asiaが気仙沼に初めて入ったのは、2011年4月初頭にニーズ調査を行った時でした。その後、2011年6月から、現地事務所を構え、本格的に活動を開始しました。当時は、まだ多くの方が避難所での生活を送り、仮設住宅の当選を待っていた時期でした。仮設住宅の入居も抽選で決まったため、見知らぬ土地での生活で住民が孤立しないように、と見守り活動が社会福祉協議会や支援団体によって開始され、SEEDS Asiaも震災後に立ち上がった地元団体、気仙沼復興協会をサポートしながら見守り活動を行ってきました。

 

2011年の冬頃から、仮設商店街も建設され、営業を再開する店主も増えてきました。その自立の妨げとなることを避けるという意味でも、物資援助の必要性はなくなって参りましたが、震災から1年経過した時点でも、仮設住宅の自治会の運営や、仮設住宅居住者の健康面や心理面へのサポートは引き続き必要でした。

 

2012 年夏頃には、防潮堤、土地区画整理、災害公営住宅、防災集団移転といったハード整備に関する話題が一層目にするようになりました。しかし、震災から2年経過した現在でも、仮設住宅での交流活動を行う支援団体が被災された方からお聞きしている話では、これらの整備事業に関する行政情報は、被災された方が内容を理解するまでには至っていないことが多いようで、より丁寧な説明と相談対応が必要だと感じられます。

 

このように、今後も被災された方の生活再建に向けたサポートがより一層必要になりますし、自力再建などにより仮設住宅からの退去が進んでいくにつれ、仮設住宅での孤立化防止に向けた対応も一層必要になるものと想定されます。こうした課題に対して、SEEDS Asiaは、仮設住宅での見守り活動を行っている気仙沼復興協会や、仮設住宅自治会をサポートしているボランティアステーションin気仙沼と引き続き協力して対応していく所存です。

 

一方、被災地を見渡すと、被災した低地地域では盛り土が始まっていますし、津波により半壊したが取り壊されずに残っていたビルの解体もかなり進みました。遅々としているかもしれませんが、改めて被災直後からの写真を比較してみると、被災地の再建は少しずつ進んでいることがわかります(写真は気仙沼市鹿折地区です)。

 

2011年4月

2011年4月、ガレキで踏み場もありません

 

 

 2011年7月 鹿折

2011年7月、ガレキの撤去が進みました。

 

2011年12月02

2011年12月、ガレキはほとんど撤去されましたが、半壊建物はまだ残っています。

 

2012年3月02

2012年3月、被災を受けた鹿折公民館周辺です。

 

 

 2012年6月

2012年6月、津波により地盤が沈下したため、梅雨でたまった水が流れません。

 

 

 2012年9月 鹿折公民館

2012年9月、鹿折公民館の撤去も始まりました。

 

 

 2013年3月11日 共徳丸

2013年3月11日、共徳丸の所有者は撤去の意向を示していることが報道されています。

 

 

 2013年3月11日 鹿折公民館

2013年3月11日、鹿折公民館跡地。災害公営住宅が建設される予定です。

周囲では、かさ上げの工事も始まっています。

 

 

被災地の再建が進んでいく中で必要とされるのは、被災地域にある既存自治会の再開支援や、震災の教訓を継承するための防災教育・コミュニティ防災活動です。

SEEDS Asiaは、2012年度より、気仙沼市教育委員会が教育研究員制度の中で実施する持続発展教育(ESD)の観点からの防災教育に関する研究のサポートをしたり、被災コミュニティに元来よりあった地域の文化的、社会的な資源を使いつつ、震災前の人々のつながりや復興に向けた地域づくりを支援する活動を開始しました。この活動は、次年度以降も引き続き行っていきます。

 

災害公営住宅の建設や防災集団移転による住宅再建は、この盛土や宅地造成の後になるため、早くても平成27年度以降になる見込みです。既往災害を振り返ってみても、復興には長い年月がかかります。そして、各メディアで報道されているように、被災者の自立的な再建のためには、その背中を後押しするサポートがまだ必要です。引き続き、SEEDS Asiaの復興支援活動に応援いただきますよう、何とぞよろしくお願い致します。

 

 

 2013年3月11日追悼式

2013年3月11日の東日本大震災追悼式に献花させていただきました。

 

 

 2013年3月11日からのヒカリ

2013年3月11日からのヒカリ、3本のヒカリの柱が気仙沼の内湾に上がりました。

想いが天まで届け、と祈りました。

 

 

2013年3月11日 SEEDS Asia 東日本大震災支援事業担当スタッフより

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2013/03/11

各地からの活動報告