理事会並びに2022年度年次総会【本部】
6月3日、SEEDS Asia理事会並びに年次総会が慶應義塾大学三田キャンパスで開催されました。対面とオンラインを合わせ、SEEDSの創始メンバーの他、理事・監事・役員、会員を含め、インドのデリー、オーストラリアのサンシャインコースト、神戸、東京、奈良、仙台など3か国6都市をつなぐ会議となりました。ご参加いただいた正会員のみなさま、顧問の皆様に感謝申し上げます。
2021年度の活動を振り返りますと、ミャンマーでは「ヒンタダ地区における学校・地域防災普及推進事業」が完了しました。政情不安とコロナ禍という複合的な危機にある子どもたちが学校に戻るためのご支援を賜り、完成した学校兼シェルターは今、子どもたちの学び舎、そして地域の防災拠点として活用されています。また、バングラデシュでは「北ダッカ市における学校を中心とした地域の災害対応能力向上支援事業」が完了しました。学校での雨水タンク整備と活用に加え、行政・地域・学校の連携によって作成したビデオ教材を活用し、全市的な防災キャンペーンが実施された他、学校での避難訓練や防災教育が展開されるようになりました。フィリピンでは、12月に中部ビサヤ地方が台風22号(オデット)による被災を受けました。沢山の個人寄付を賜り、被害情報の把握に欠かせない発電機の供給を経て、現在は現地教育省を通じた学校の復旧・復興支援に取り組んでいるところです。
また、令和元年東日本台風の被災地である長野市長沼地区での復興まちづくりへの支援では、長沼地区復興対策企画委員会のコミュニティ検討会の方々と連携し、まちの魅力・希望・課題を幅広く集め、可視化する取り組みをおこなって参りました。また未災地支援として継続している鳥羽市立鳥羽小学校では、一昨年度から新たに発足したSEEDS Asiaテクニカルアドバイザーと共に、カリキュラム・マネジメント支援を通じたESDをベースとする防災教育の推進を図りました。上記の各事業地での活動の他、15周年記念イベントとして、国内外の事業地で関わっている5か国10校の子どもたちをオンラインでつなぐ、「マイ・ホームタウン 子ども会合」を実施しました。全国で進められる教育のICT化と英語科目の導入を踏まえた、防災への取り組みとまちの魅力紹介は、学んだ英語を使用する異文化体験の機会でもあり、防災への学びを深めると同時に地球共通の課題に取り組む連帯を生み出す機会となりました。
いずれの事業も、多様な主体との協力が無ければ成し得なかった活動です。私たちは、このつながりと協力の「仕合せ」を拡大していくことが、未曽有の危機を乗り越える大きな力になると確信しています。