北海道教育大学附属釧路義務教育学校での授業【日本/本部】
9月28日と10月7日の2日間、北海道教育大学附属釧路義務教育学校の8年生の授業で、SEEDS Asiaがゲスト講師として登壇しました。
この授業は、北海道教育大学附属釧路義務教育学校の先生方が「防災を通じて世界に目を向けた授業がしたい」とJICAに相談されたところ、SEEDS AsiaがJICAの草の根技術協力事業にてフィリピンの学校防災プロジェクトを展開してきたご縁で実現しました。
1回目の授業では「日本の国際協力としてSEEDS Asiaでは防災事業をしているらしいけど、どんな内容だと思う?」と問いかける先生に対し、生徒は「建物を強くするのかな」という回答を挙げていました。そこで「SEEDS Asiaでは、人づくりを大切にしています。人づくりとは、建物がなくなった時でも瞬時に避難の判断や助け合いができることを意味します」と、阪神・淡路大震災の教訓である自助・共助の大切さを伝えました。生徒からも「建物を強くするにも人づくりが必要ではないか?」というコメントがありました。
2回目の授業は、1回目を踏まえての質疑応答セッションでした。SEEDS Asiaの有馬がフィリピンで感じた「やりがい」や「辛かったこと」、なぜSEEDS Asiaで仕事をしているのか、など、国際協力・防災分野で働くことへの興味がうかがえる質問が多いように感じられました。そして、「私たちに何ができますか」という大切な問いをくれた生徒への返答として、「世界の出来事を他人事ではなく自分事として考えて欲しいです。自分が持つ特権を自覚し、他の人の立場で考えられるようになることと、批判的に物事を捉えること、そうすることで社会的構造により弱い立場にある人たちを取り残さないことが重要です。例えば今回の話を聞いて、フィリピンの防災について詳しくなったように感じるかもしれませんが、フィリピンに行って現地の方々の話を聞いたら全く違う話が聞けるかもしれません、誰かが言ったことが全て正解だと思わないことも大切です」という考え方を共有しました。
今回強調した「人づくり」の大切さですが、この授業そのものも未来の担い手を育む人づくりとなったことを願います。素晴らしいご機会を下さった北海道教育大学の大津和子教授、北海道教育大学附属釧路義務教育学校の先生方、生徒の皆さん、JICA関西に感謝申し上げます。