【認定】特定非営利活動法人SEEDS Asia

今こそ備えを【フィリピン】

―今こそ備えを―

 

2月6日に発生したトルコ・シリア地震から10日が経ちました。既に4万人以上の死者数が確認され、現地では今も救助活動が続いています。瓦礫と化したまちの姿、泣き叫ぶ子どもたちの姿を見て、心に痛みを感じない日はありません。

 

SEEDS Asiaには「今回の緊急支援はしないのですか?」という問い合わせが届きます。都度、「緊急支援としては現段階では実施しませんが、復旧に差し掛かった段階で検討の可能性はあります」とお答えしています。この背景としては、所内の緊急支援に係る発動基準の一つとして「現地に信頼できるカウンターパート(連携組織)がある」ことが条件となっているためです。この基準は、救助・捜索が続き混乱を極める災害直後の現場を邪魔することなく、各地の文化や状況に配慮した支援をするため、ということが目的です。私たちはトルコやシリアでの活動実績はなく、この基準を満たしていないのです。

 

トルコやシリアの大地震の一方で、国内では報道されていませんが数週間前にフィリピンのダバオというまちでM7.3の地震が発生し、本日未明にもフィリピンのマスバテというまちでM6.0の地震が発生しました。

Earthquake Today: 6.0 Magnitude Quake Rocks Masbate (philnews.ph)

Masbate quake damages coliseum, causes power outage, class suspensions (msn.com)

Damage in coliseum, hospital evacuation reported after Masbate quake | GMA News Online (gmanetwork.com)

 

写真提供:Ms. Maia Elena Berame

こうした状況を受け、フィリピン教育省 第7地方事務所 ラプラプ市地区防災管理コーディネーターであるエレナ先生(Ms. Ma. Elena Berame, Division DRRM Coordinator, Lapp-Lapu City Division)が「今日、学校でSEEDS Asiaの教材使ったよ!」と報告してくれました。その教材は、2014年~2017年に実施した「セブ州における地域との連携による防災教育の技術移転事業」で開発した、楽しく災害への備えを学ぶゲーム式の教材(元々はベトナム事業で開発したものをフィリピン事業にて受け継いだもの)です(写真左)。エレナ先生は地震の報道と実際の地震が続く中、ゲームを通して楽しく子どもたちが身を守る方法や備えについて学ぶことで、不安を取り除き笑顔を取り戻そう、と考えたようです。

 

トルコやシリアの被害の様子、またその被害が甚大化した社会的背景を思う時、言葉にならない憤りを感じます。一方、地震の可能性は、いま私たちの目の前にもあります。シリアやトルコに赴き、直接誰かの役に立つことは難しいかもしれませんが、エレナ先生のように、今こそ学び、備えることによって、不安を少しでも軽減すること、そして周りを笑顔にすることはできるのではないでしょうか。

 

防災教育は不安を煽るものではなく、不安を取り除くもの。そしてまちの未来をつくるもの。

 

今こそ、備えをしませんか。

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2023/02/16

各地からの活動報告