【認定】特定非営利活動法人SEEDS Asia

甲南女子大学NPO論での講演【本部】

神戸市を一望できる場所にある甲南女子大学のキャンパス。昭和39年に村野藤吾がデザインし建設された校舎は登録有形文化財にもなっているとか。山裾の傾斜を活かし、モダンで美しい姿が現代の神戸にもピッタリでした。

 

2023年6月8日、甲南女子大学(神戸市東灘区)のNPO論の授業において、大津山光子事務局長がゲストティーチャーとして登壇しました。この授業への登壇は、認定NPO法人コミュニティ・サポートセンター神戸・山村弘美先生の招へいによるもので、今年で4年目となります。

 

今回の講義では、「災害に負けないまちづくり・人づくり―無防備な幸せは続かない。この現実にどう向き合いますか―」というテーマで、3部構成で話をしました。

 

最初のトピックでは、山村先生からの依頼で「なぜその仕事をしているのか」という内容について話しました。個人的な体験や阪神淡路大震災遺児との出会い、インドでの同時多発テロの経験などから、安全は自然権として与えられるものではないこと。だからこそ、備えや対策によって被害の度合いを変えることができることを強調しました。

 

二つ目のトピックは、「SEEDS Asiaがどのような活動をしているか」というものでした。私たちが目指すのは、災害に負けない持続可能な社会の実現です。そのためには、防災の取り組みが欠かせませんが、そこでは安全至上主義に陥らずに持続可能性を重視し自然環境や暮らし・文化にも配慮する必要があります。また、気候変動による気象系災害の頻発化・激甚化の中で、まちづくりの活動と人づくりの活動の両方がますます重要になっている現状をお伝えました。NGOだからこその支援事例として、ミャンマーの案件についても話しました。

 

三つ目のトピックでは、「これ、どう思う?」という問いかけを通じて、世界的な防災の課題について共有しました。その中で、単体で見れば有効な防災対策や技術が、生物多様性の減少や伝統や景観の喪失、社会的な格差の拡大などを引き起こす可能性があることに触れました。また、「防災」の取り組みやすべてのサービスや事業は、包括的で長期的な影響を考慮しなければ、別のリスクを生み出してしまう現実についても強調し、事業を実施する者は常に自省的であるべきだと伝えました。

 

質疑応答の時間では、組織体制や格差を回避するための工夫など、多くの質問が寄せられました。その後に頂いた感想は多岐に亘りましたが、「『無防備な幸せは続かない』という言葉が印象に残りました。防災によって災害に負けないまちづくりをすることで持続可能な社会の形成につながることがわかりました。「支援のメッシュ」からこぼれてしまった地域に気づいて支援をされていて、NGOならではの活動であると感じました。」などの感想をいただきました。

今回も貴重な機会をいただいた山村先生と質問してくださった学生の皆様に感謝申し上げます。

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2023/06/08

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