鞄職人さんと鳥羽小学校児童がともに考える「命を守る通学鞄」

2025年6月23日、鳥羽市立鳥羽小学校にて、4年生を対象とした総合学習「鳥羽っ子学習」が実施され、見学に伺いました。鳥羽小学校では「命をつなぐ・鳥羽をつなぐ」をテーマに、系統的な学びを年間を通じて展開しており、4年生は防災を中心に学習を深めています。
今回の授業では、昨年度に理事である神戸大学桜井愛子教授より紹介を受けSEEDS Asiaとつながりのあった、兵庫県丹波市で鞄職人として活躍する細川さん(MaruSuバッグ代表)を紹介し、ゲストティーチャーとしてお迎えいただきました。細川さんは、救命救急センターや消防局などでも採用されている、高機能・高耐久の医療救急用鞄を数多く手がけておられます。この日は、通学鞄が救命胴衣としても機能する新たな製品を紹介し、児童たちに向けて商品の最終化に向けた意見を求めました。
細川さんの「LIFE BOX」と呼ばれる救命機能を持つ鞄の説明や、鞄が「変身」していく姿を見た子どもたちからは「めっちゃええやん!」「欲しい!」という声とともに、細川さんが「もっと良くするにはどうしたらいいか」と商品への意見を尋ねると、「色の種類を増やしてほしい」「水筒を入れられる外ポケットがあるといい」「寒いときにあたたまる機能がほしい」「持ち手があると便利そう」など、活発なアイデアが次々と寄せられました。子どもたちの意見を踏まえて、細川さんの商品がどうなっていくのか、とても楽しみです。
現在、細川さんの拠点である丹波市は、2014年8月に豪雨災害を経験した地域でもあり、現在は「防災都市丹波市」として数多くの防災に係る製品を扱う会社が集っています。SEEDS Asiaも豪雨後には丹波市との協定を締結し、豪雨後の復興・防災教育支援や復興まちづくりなどに継続的に関わらせていただきました(丹波市でのSEEDS Asiaの活動概要はこちら)。今回、丹波市と南海トラフ地震への備えを進める鳥羽市の方々が「命を守る鞄」を通じてつながったことを、SEEDS Asiaとして大変嬉しく思っています。
鳥羽小学校の校区には離島も含まれており、児童たちは船・バス・電車・徒歩など、多様な手段で通学しています。通学中の安全確保は地域にとって重要な課題であり、命を守るための手段について想像を膨らませる機会が、子どもたち自身の命を守る力を育む機会となっていれば幸いです。
この度の打診を受け入れてくださった鳥羽小学校の皆様に深く感謝を申し上げます。
※当日はNHKさん、中日新聞さんが取材に来られていました。
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