パキスタン移動式防災教室プロジェクト
パキスタンは、海抜の低い沿岸地域から砂漠、丘陵、山岳地帯にいたるまで、自然災害が起こりやすい地理的条件を抱えています。2010年7月から8月にかけて続いた豪雨は前例にない大規模な洪水を誘発し、被災者は2千万人を超えました。
そこでSEEDS Asiaでは、チャーチ・ワールド・サービス・アフガニスタン・パキスタンの助成を得て、2011年5月から2012年4月の1年間、大規模洪水の被災地域を対象とした「移動式防災教室プロジェクト」を実施しました。
最初に、パキスタンの文化や慣習に沿った防災教室を作成するため、現地調査を念入りに行いました。小型トラックを改造し、ペイントを施し2011年11月にパキスタン版トラック型「移動式防災教室」を完成させました。トラック内には、サイクロンや地震、洪水などの仕組みを示したポスター、安全な村の仕組みを説明するモデル、家の耐震構造を表すモデルなどが搭載され、移動先の学校などですぐに防災ワークショップを開催できるようになっています。
その後、2012年1月から2月にかけ、シンド州、タッタの15村落で、移動式防災教室トレーニングを実施しました。教員、生徒や住民、建築技術者など当初を上回る、1,000名以上が研修を受けました。
トレーニング終了後のアンケートにより、受講した生徒の84%、教員の92%が、防災に関する知識が向上したことを確認できました。防災トレーニングを受講した生徒からは、「とても楽しく、役に立つトレーニングでした。防災についてとてもたくさんのことを学びました。家族や親せきの皆にトレーニングについて教えてあげようと思います」という感想を頂きました。
事業終了時には、今後の継続のために、活動の内容をハンドブックにまとめ、関係者に配布しました。