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バラナシ市内の児童生徒への就学支援金の供与【インド】

株式会社リコー(RICOH)様他グループ会社9社の社員の方々によって構成される「リコー社会貢献クラブ・Freewill」様よりご寄付を賜り、インド・バラナシ市で新型コロナウイルスにより親を失った32名の児童・生徒への就学援助金として活用いたしました。

 

インドで最も人口の多いウッタルプラデーシュ(UP)州の主要都市であるバラナシ市は、ヒンドゥ教の聖地として火葬場が集積しています。そのため、コロナ禍においても地域内外の人流が絶えず、新規感染者が慢性的に増加し、新型コロナウイルスにより23,494名の死亡がUP州内で報告されていました。このような事態の中、親の死亡や失業により経済的な困難で学校を辞退せざるを得ないケースが相次いでいることが市内の5校の教員とのインタビューによって明らかとなっていました。

 

バラナシ市内で気候変動や防災教育を実施するクライメートスクール(5校 ※)にインタビューを実施したところ、聖アトゥラナンド校のニーズが最も高いことが明らかになりました。その理由は、一つ目にオートリキシャ(インド式三輪バイクタクシー)運転手や野菜/果物販売など、エッセンシャルワーカーとしてリモートワークが困難な職業に従事している親の割合が多く、新型コロナウイルスによって校内で32名(全校児童生徒3,600人中)の児童生徒が一家の大黒柱を失い、退学の危機にあることが明らかとなりました。

 

日本のように教科書が無償で提供されず、政府による社会保障や奨学金制度も整備されていないため、一家の稼ぎ手を失うことは大きな痛手となります。資金的な援助がなければ教科書の購入や成長に応じて変更が必要になる制服代を捻出することが困難で、「このままだとドロップアウト(退学)が不可避」という状況に陥っている児童・生徒の声が挙げられていました。

 

今回の「リコー社会貢献クラブ・Freewill」様のご寄付によって、退学の危機にあった32名の児童生徒が一人あたり5,100ルピー分(約8,000円)の支援金を受理し、授業料、教科書代、文具代、バス代、制服代等、それぞれのニーズに応じて活用することができました。この支援により、32名は今年度学校を辞退することなく進級し、今年度も継続的な防災・気候変動に関わる教育を享受できることになりました。「リコー社会貢献クラブ・Freewill」の皆様に、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。

 

クライメートスクール:自動気象観測装置や大気汚染観測機器を設置し、その観測情報を基に防災教育/気候変動への対応教育を実践する学校で防災情報発信の拠点。2015年度より外務省日本NGO連携無償事業としてバラナシ市内の5つの区に一校ずつ指定し、京都市の内の本邦研修も合わせ、研修・実践を重ねてきた学校のことです(クライメートスクール指定に関わる詳細はこちら)。

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2022/05/02

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