熊本地震 熊本県宇城市での事業概要
1. 事業を開始したきっかけ
2016年4月に発生した熊本地震では、熊本県宇城市も甚大な被害を受け、多くの住民が避難所や仮設住宅での生活を余儀なくされました。
SEEDS Asiaは、発災から1カ月後、被災者の生活環境が大きく変化する中で、現地のニーズに即した支援を行う必要があると判断し、宇城市の災害ボランティアセンターや避難所を対象とした現地調査を実施。
その結果に基づき、社会福祉協議会等と連携して生活復興支援の体制強化に取り組む支援事業を開始しました。

2. 熊本県宇城市の特徴と防災課題
宇城市は、熊本県中部に位置する人口約6万人の市で、農業や漁業が盛んな地域です。
熊本地震では地盤のゆるい地域や木造住宅の多い地域で被害が大きく、避難者の長期化・高齢者の孤立といった課題が浮き彫りとなりました。
また、地震後の豪雨など複合災害のリスクも高く、災害後の生活支援やコミュニティの再建において行政・社会福祉協議会・地域住民の連携強化が急務となっていました。

3. 事業の内容とめざす姿
SEEDS Asiaは、宇城市社会福祉協議会が設置する「生活復興支援ボランティアセンター」およびその後継である「地域支え合いセンター」の体制構築・運営支援を通じて、被災者の生活再建を後押ししました。
具体的には以下のような活動を展開しました。
- センターの活動方針や役割分担の設計支援
- 被災者調査票や日報など業務ツールの整備
- 新規相談員へのOJTと相談技術向上支援
- 避難所・仮設住宅での傾聴・お茶会・交流イベント実施
- 東日本大震災の実践者による研修や事例共有
- 専門機関との連携を促す「生活復興支援連携会議」の開催支援
SEEDS Asiaの熊本地震における支援活動は、地域のニーズに即した柔軟な対応と、他団体との連携を重視した取り組みが特徴です。
これらの活動を通じて、被災者の孤立防止や住民間の相互支援体制の再構築を進め、宇城市における地域福祉と災害対応力の向上をめざしました。最終的には、住民自身が支え合える持続可能な復興と、今後の災害にも強い地域づくりの礎を築くことを目指して実施しました。
これらの活動は、ジャパンプラットフォーム(JPF)や赤い羽根共同募金からの助成を受けて実施されました。